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コラム

だまし絵の巨匠が描いた《滝》

2018年03月02日 更新

マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898−1972)はオランダ出身の版画家です。日本では「だまし絵といえばエッシャー」という印象を持つ方や、教科書に掲載された作品を見たことがあるという方も多いでしょう。
1961年に制作された《滝》は、エッシャーの代表的な作品の一つです。二つの塔の間の溝には水が走り、滝となって高所から流れ落ちていく様が表現されています。ところがじっくりと見ていると、この塔と水路、そして水流の高低関係は実在し得ないものであることがわかります。
現実世界の重力や高低の関係性を無視して、永久機関のように巡り続ける不思議な水流——。この他にも、三次元では実現不可能な状況を二次元の世界に表現し、無限を可視化したエッシャーの世界を展覧会でお楽しみください。

03M.C.エッシャー《滝》1961年、リトグラフ
ハウステンボス美術館蔵
All M.C.Escher works©Escher Holding B.V.-Baarn-the Netherlands

企画展「夢幻×無限 〜エッシャー、ダリ、福田繁雄〜」
だまし絵の旗手として日本でも人気のM.C.エッシャー、超現実主義の代表格サルバドール・ダリ、そして「日本のエッシャー」の異名を持つグラフィックデザイナー福田繁雄。三者の作品を通して、無限と夢幻を表現しただまし絵の世界をご紹介します。
会期:2018年4月20日(金)〜2018年6月24日(日)|会期中無休|

執筆者:学芸員 大野方子

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