2024年04月05日 更新
オンライン鑑賞教室とは?
諸橋近代美術館では2020年のコロナ禍以降、教育普及活動の一環として「Zoomを使ったオンライン鑑賞教室」を全国の学校団体向けに実施しています。
当館は現在冬季休館中ですが、休館期間も実施しており、北海道や愛知県の学校さんをはじめ全国の学校さんとオンラインで繋がって活動しています!
【実施日】2024年2月7日
【参加者】須賀川創英館高等学校の皆さん
美術館はすっかり雪に埋もれている時期の2月7日(水)、須賀川創英館高等学校の9名の生徒さんと一緒にオンラインでの鑑賞教室を行いました。
簡単なクイズ形式の鑑賞エクササイズや、自分の気持ちを作品に描かれたお花にたとえて発表するワークの後に、当館所蔵の2作品を対話しながら鑑賞しました!
最初に鑑賞した作品はPJ クルックの《きつね》(2015年)という作品。
皆さんきつねに注目される一方で、どうしてきつねに注目してしまうのかを、構図の特徴や光の表現などから、作品に込められたきつねの意味や役割に想いを巡らせているのが印象的でした!
続いて、2作目に鑑賞した作品がサルバドール・ダリの《ビキニの3つのスフィンクス》(1947年)という作品。
1作目の《きつね》が、現実にあり得そうな違和感のある不思議な作品だとしたら、
2作目のこちらは、現実にはあり得ない違和感のある不思議な作品。
手前が「人の頭のように見える」といった意見や、左側に「木があるように見える」という意見、「雲のように見える」などなど、
みなさん「〜のように見える」と、「見えているものが真実とは限らない!」と言わんばかりに、断定をされずに鑑賞を進めていくのが印象的でした!
約90分間にわたり、ひとりひとりが、みんなの言葉を聞きながら、自分の言葉で、鑑賞をされており、
とても真剣に、そして頭をぐるぐる回しながら参加されていたように感じました。
鑑賞教室の後はお昼休みが待っていたので、糖分をたくさん使ったみなさんの脳に、昼食はとても美味しく感じたのではないでしょうか!?(笑)
🗯参加者の声💭
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💭初めは、どうしてこんな街中にキツネがいるんだと、私の中での違和感がとても大きかったが、キツネをやけに主張する意味を考えているうちに構図について考えるようになり、新しい発見がどんどん思い浮かんできて、それをさらに言語化するのが大変だったが、おもしろかった。
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💭1つの絵の中には、様々な物語があり、それらを読み取って表現するのは難しいと思いました。ですが、自分とは違った感想を他の人と交換することで自分の感性がよくなっていくように感じました。とても楽しく、わくわくした時間でした。
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💭紙に書いて自分の意見と相手の意見を伝えるのもいいと思うけど、今回対話型鑑賞をして相手の見方や考え方がより具体的にくわしく知ることができてとても勉強になりました。今後意見交換などをした時に自分の考え方をくわしく伝えられるようになりたいと思いました。