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「ダリとハルスマン」コラム第2回『原子力時代に浮かぶダリ』

2020年02月01日 更新

1947年に自身の代表作の一つ《レダ・アトミカ》を制作したダリ。ギリシア神話の「レダと白鳥」と、「原子力」とをテーマに、レダに扮した最愛の妻ガラをはじめ、作品中の全ての物体を空中に浮かべて描いた作品です。当時、原子力に関心を持っていたダリは「原子力のもとでは全てが浮遊している。私は原子力(アトミック)の時代に生きているから、宇宙に浮かぶ万物を描かなければ」と語りました。これを聞いたハルスマンは、ダリにあるアイデアを持ちかけます。写真の中であらゆるものが浮遊して停止している《ダリ・アトミクス》の構想です。
透明テグスでイーゼルやカンヴァスを釣り上げ、猫と水を放り、ダリがタイミングを合わせて跳ね、失敗の度に床を拭きあげること26回。ダリとハルスマンのアイデアに加え、アシスタント達と3匹の猫の忍耐強さに支えられることでようやく1つの作品が完成したのです。

【開館20周年記念展 vol.3「ダリとハルスマン」】

《ダリ・アトミクス》Dalí Atomicus, 1948

《ダリ・アトミクス》Dali Atomicus, 1948
Photo by Philippe Halsman © 2020 Philippe Halsman Archive / Magnum Photos.Image Rights of Salvador Dali reserved: Fundacio Gala-Salvador Dalí Figueres, 2020

「広報誌ダリモNo.013」でも展覧会紹介中。

「広報誌ダリモNo.013」でも展覧会紹介中。

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