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コラム

「展覧会の楽しみ方~作品へご挨拶を~」

2014年10月31日 更新

美術館では、多くの作品との出会いが鑑賞者を待っています。鑑賞者の訪れを待つのは、国内館で所蔵し常設されている作品、大型巡回展のために海外からやってきた作品と、実に様々です。鑑賞中、ふと目にした作品の中で二度、三度と再会できる作品の数は、一体何点あるでしょうか。

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海外から出品されている作品は、展覧会が終了すればすぐさま本来所蔵されている美術館へ返却されます。再び鑑賞するには、作品が別の機会に来日する時を待つか、遠路遥々所蔵館へ赴かなくてはなりません。日本国内で所蔵されている作品は、修復や他の展覧会への貸出のために館外へ持ち出されていなければ所蔵館にあることは間違いありませんが、展示室に展示されていなければ当然鑑賞することは叶いません。何気なく鑑賞しがちな作品たちですが、その大部分とじっくり対面できる機会というのは、実は限られているのです。

立ち寄った美術館、あるいは展覧会で気になる作品に出会った時には、心の中で作品に挨拶してみることをおすすめします。まずは「初めまして」から。次第に「またどこかで」「おや、またお会いできましたね」と、何度も対面し挨拶する作品が表れたら、それはその作品との縁ととらえて良いでしょう。数々の作品との出会いの中から、そのような一点との素敵な縁が生まれることを願います。

執筆者:学芸員 大野方子

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