2014年12月22日 更新
美術館には多くの楽しみ方があります。カフェ、ショップ、庭園だけを目的に美術館へ行く方も増えているようです。ただ、美術館の見どころはやはり作品。どうしたら今まで以上に作品を楽しめるのか、学芸員目線でご紹介したいと思います。
○事前に知っておきたいこと
館内は一定の温湿度に保たれているため、時期によっては寒いと思うこともあります。カーディガンなど、羽織ものを持って行くと安心です。また、意外と歩きまわるので、靴は疲れにくいものを選ぶと作品に集中できます。
○作品のことをもっと知りたい
ほとんどの美術館では作品の隣に解説パネルを用意しています。ただ、それ以外にも作品の情報を得られる方法があります。
①作品の解説会に参加してみる
指定の日時に解説スタッフや学芸員が作品の解説を行う美術館もあります。参加費無料・事前申込み不要である場合が多く、特に重要な作品、面白い作品を解説する傾向があります。
終わった後に質問をすることができるのも解説会の魅力です。
②音声ガイドを借りる
自分のペースで作品の解説を聞くことができます。気になる作品だけ聞いてみるのもいいでしょう。解説パネルには書いていなかった情報を手に入れることができるかもしれません。ただ、館によって料金や台数制限の有無が違うので注意して下さい。
③ワークシート(副教材)を活用する
美術館によってさまざまなワークシートが用意されています。作品をクイズ形式で解説していくものもあれば、作品に対する自分の印象・考えを書き込むタイプもあります。多くはこども用として作られていますが、大人でもやってみると意外な発見があるのが、ワークシートの面白さです。
○どうしても作品に興味がわかない…
「1点だけ自分の部屋に飾るとしたらどの作品がいいか?」という視点で見てみてください。部屋に飾れる大きさかどうか、色は他のインテリアと合うかどうか、飾るとしたらどのスペースに飾るか…作品をよく見比べていくとそれぞれの違いも見えてきます。自分のお気に入りの1点を見つけてください。
ただ、無理に好きな作品を見つける必要はありません。やっぱり作品に興味がわかない、作品自体が好きになれないと思った時は、なぜ自分はそう思ったのかを考えてみましょう。自分自身の隠れた嗜好を発見するチャンスです。
執筆者:学芸員 稲田由希