1. HOME > 
  2. コラム > 
  3. 「守る」と「見せる」のあいだでーー美術作品の修復についての話。

コラム

「守る」と「見せる」のあいだでーー美術作品の修復についての話。

2026年02月16日 更新

美術館は作品を保存しつつ、広く一般に公開するという相反する役割を担っています。
その実現のために欠かせないのが、劣化した作品の修復業務です。

作品が劣化する原因には、人的事故や急激な温湿度の変化、光、虫やカビの被害などがあります。
そのような被害を未然に防ぐため、美術館では、徹底した温湿度管理やスポットライトの照度調整、展示室内への持ち込み物の制限などによって、劣化のリスクを軽減しています。
それでもやむを得ず損傷した作品については、専門家による作品の状態に応じた修復が行われます。

サルバドール・ダリ《キャバレーの情景》(1922年)の点検風景

修復の前にまず作品の状態を細かく調査します。
様々な角度から光を当てて表面の状態を観察したり、
特定の素材に反応して蛍光する特殊な光を当てて他と違う素材を探し、過去に修復された箇所を確認します。

また、亀裂のある箇所を顕微鏡で拡大観察し、
絵具が剥がれてくる危険性があるかを判断するなどの調査を踏まえて、修復の方針を検討します。

【キャバレーの情景顕微鏡写真】絵具が剥がれてくる危険性のある箇所/左が処置前・右が処置後

修復の基本は、必要最低限の介入で作品の安全をより長く担保できる処置を行うことです。
そのためには事前の綿密な調査と慎重な計画が非常に重要なのです。

現在、当館は冬期休館および改修工事のためお休みをいただいております。
この休館期間も、大切な作品を次世代へと引き継ぐための貴重な準備時間と捉え、環境整備に努めております。
2027年4月の再開館時には、万全の状態の中で作品を皆様にご覧いただけることを楽しみにしております。


 

〜諸橋近代美術館は現在改修工事のため長期休館中。2027年4月頃再開館〜

↓諸橋近代美術館各種アカウントはこちら↓
【YouTube】 /‪@Morobi‬
【X】 / dali_morohashi
【Facebook】 / morohashimuseum
【Instagram】 / morohashi_museum
【note】 https://morohashi-museum.note.jp/

  • LINEで送る
一覧へ戻る
ページのトップに戻る