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コラム

コレクション小話 ~とある作品の収蔵まで~

2026年02月02日 更新

美術館のコレクション形成は、まさに作品との巡り合わせ。

 

今回は、当館のなかでも筆者の思い入れが強い一品、「三度目の正直」の末に収蔵が叶った
サルバドール・ダリの《ガラとロブスターの肖像》(1933年頃制作)にまつわるエピソードをご紹介します。

私が当館に入職して3年目のこと。
この作品が市場に出るという照会が回ってきました。聞けば当館がこの作品と出会うのはこれが三度目。

一度目は惜しくも入手が叶わず、二度目も予算の壁に阻まれ見送った経緯があったと聞きます。
美術品の世界では、市場流通に出る度に価値が高騰するのはよくある話なのです。

そうして訪れた三度目の好機。

しかし価格は前回をさらに上回り、館内には「流石に高すぎるのでは」と及び腰の空気が流れました。
けれど、ここで見送れば次は無いような気がしたのです。

「三度目の正直と言いますでしょう。ダリ成熟期の作品、しかも最愛の妻の肖像画。今回逃せばもう二度と当館には巡ってきませんよ…」

諦めの悪い私の脅し文句、否、説得はなんと奇跡的に受諾され、幾度もの見送りを経た作品がようやく展示室に収まった光景には、不思議な感慨を覚えます。

作品との出会いも、人との出会いと同じ。
時に遠回りをしながら、しかるべき場所に落ち着く「縁」というものが存在するのかもしれません。


 

〜諸橋近代美術館は現在改修工事のため長期休館中。2027年4月頃再開館〜

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