2015年03月21日 更新
1939年、ニューヨークの百貨店業界では奇矯なショーウィンドー・デザインが流行していました。
その中でも特に風変わりなデザインを施すことに定評のあった高級百貨店ボンウィット・テラーは、アメリカで最も知名度の高いシュルレアリストであるダリにデザインを依頼します。
ところが完成したデザインは「死」を連想させる非常に挑発的なものであったため、顧客の苦情を鑑みた経営陣はダリの承諾も得ずにデザインを変更してしまいました。
憤慨したダリはデザインを戻すよう主張しましたが認められず、激昂のあまりデザインの一部として配置されていたバスタブをひっくり返そうとした勢いでガラスを破ってしまい、現場は一時騒然となりました。
このスキャンダルでダリはニューヨークの大衆の注目を集め、人気はますます加速したのでした。
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ダリがガラスを破った後、ボンウィット・テラーのショーウィンドー(1939年 撮影者不明)