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コラム

作品のコンディションにも影響がある?温度と湿度についての話

2025年08月28日 更新

写真の装置を美術館で見かけたことはありませんか?
これは、温度や湿度を計測する装置です。

美術館では、展示室の温湿度のデータを連続して記録し、
極端な数値の変化がないように管理しています。

毛髪式温湿度記録計

展示室の隅にあるこの装置は「毛髪式温湿度記録計」といいます。

では、具体的にどのような環境が理想的なのでしょうか。
湿度50%~59%の間が作品にとって負担の少ない数値で、通常展示室はこの設定となっている場合がほとんどです。

湿度が60%以上になるとカビが発生するリスクがあり、
逆に湿度が低すぎても乾燥により作品に亀裂が入るなどの劣化の原因となります。

また、短時間に急激な温度や湿度の変化があると、作品を構成する材質のバランスが崩れ劣化の原因となる場合もあります。

そのため、美術館では作品にとって良い温湿度を一年を通して一定に保っています。

作品優先の環境なので、私たち人間にとっては少し寒いと感じる温度に設定されることがあるのも、美術館特有の事象です。

未だ暑さの残る中、昼夜で気温の変化が激しく、私たちにとっても体調管理が難しい時期となりましたが、
このような温度と湿度といった環境は、実は作品にも大きな影響を与えているのです。

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