2025年03月05日 更新
20世紀初頭のパリのカフェといえば、画家や音楽家、作家が集まり、新しい感性が花開く場所でした。一方、現代の美術館におけるカフェは、どこかかしこまったイメージを纏う「美術館」を気軽に利用いただく入口として、美術館への橋渡し役を担っている側面があります。
諸橋近代美術館もカフェを併設していますが、展示エリアと地続きのため、食べ物の匂いが作品に与える影響を踏まえ、厳選したメニューのラインナップです。
(もっと食べ物メニューを増やしてほしい…というお声をいただきながら、パンなどの軽食のみ。なかなかお声に答えられず誠に申し訳ありません。)

諸橋近代美術館エントランスすぐにあるミュージアムカフェ
制約が多い環境ではありますが、そんな中でも1杯のコーヒーの価値を高めようと努力しています。
「モロビ」と「シュルレアリスム」は、地元・裏磐梯の自家焙煎珈琲店「ロットンロウコーヒーロースターズ」にプロデュースしてもらった当館オリジナルのブレンドコーヒーです。
「モロビ」はブラジル・エチオピア・コロンビアの豆を使用。美術館を囲む裏磐梯の森をイメージし、まろやかな苦味とコク、ほどよい酸味で味わい深い一杯です。
「シュルレアリスム」はエチオピア・ケニアの豆を使用。サルバドール・ダリが放つ不思議でスパイシーな世界をイメージし、果実のような酸味と甘みがあり、その香りは高く芳醇です。

諸橋近代美術館のミュージアムカフェからの眺め
現在は冬期休館中ですが、4/12から開館予定です。
山間にあるため気軽にお越しいただける場所ではありませんが、美術館を「美術作品を見る場所」としてのみならず、「お茶しに行く」というドライブコースのひとつとして、美術館という場所をさまざまにシーンで活用いただけると嬉しいです。