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コラム

旅するダリ、、修復されたダリの初期作品が全国へ。

2024年11月27日 更新

現在、諸橋近代美術館は冬期休館中ですが、皆さまからのクラウドファンディングでのご支援によって修復することが叶ったサルバドール・ダリの作品が全国を巡っています。

その1つが、サルバドール・ダリ(1904-1989)によってカンヴァスの両面に描かれた《庭の少女たち/リャネの野菜畑》(1919年頃)です。10代のダリが描いたのは、家族と過ごした浜辺にある夏の別荘地の風景です。印象派や点描主義など当時の芸術界のトレンドが感じられます。

作品を調査すると亀裂や歪みなどの損傷が激しく、両面に描かれているという性質上、画面が不安定な状態にありました。それら全てを修復することは難しいため、今回の修復では絵の具が欠けた部分やカンヴァスがほつれた箇所を丁寧に接着する処置を施し、補彩は極力控えて初期に描かれた風合いを残す修復方針をとりました。既にご覧になったことがある方にとっては修復の変化を感じ取りにくいかもしれませんが、額装も新調させていただき、長期の展示や移動にも耐えられる状態となりました。

ダリの両面画《庭の少女たち/リャネの野菜畑》の新しい額の設置風景

本作品は現在、大分県立美術館さんで展示されており、この先、横須賀美術館さん、広島県立美術館さんでも展示されます。皆さまのお力によって健やかな状態となった作品からダリが辿った表現の変遷や芸術への探究心を感じていただければ幸いです。

 

展覧会「生誕120周年 サルバドール・ダリ -天才の秘密-

※下記会場にて本作品が展示される予定です。
※予定が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

大分県立美術館
会期:2024年11月22日(金)~2025年1月19日(日)

横須賀美術館
会期:2025年2月8日(土)~4月6日(日)

広島県立美術館
会期:2025年4月15日(火)~6月8日(日)

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