2015年02月20日 更新
日本には美術館がどれくらいあるのか、ご存知でしょうか?
文部科学省が3年おきに実施している『社会教育調査』(平成23年度)によると、美術館(美術博物館)は452施設となっています。この数字だけでは多いのか少ないのか分かりにくいので、他の博物館施設と比較してみましょう。
上の表を見ると、美術館の占める割合が35.8%と、比較的大きいことが分かります。また、美術館への入館者数は、平成22年度間で約33,395千人となっており、博物館施設の中ではとても高い数字です(表2)。平成22年10月時点の総人口は約128,057千人でしたので、国民の4人にひとりが年に1回美術館に行ったことになります。
しかし、これはあくまでも全国の値です。調査結果を都道府県別にすると、美術館452施設のうち、東京都が110施設、入館者数は約15,813千人となります。施設数では国内の約4分の1、入館者数では約半数を占めており、「東京一極集中」と言える状況です。
美術館に関する調査結果は公的機関も民間も発表していますが、一般的には知られていないのが現状です。日常生活や経済活動への影響が少ないと考えられているからでしょうか?あるいは、数値化しても評価し、議論するのが難しいからかもしれません。
しかし、これらの調査結果はとても貴重なデータです。美術館という文化施設に関心のある方はぜひ一度、調べてみて下さい。興味深い結果が得られるかもしれません。
参考URL:
文部科学省 -社会教育調査
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa02/shakai/index.htm
(2015年2月18日現在)
一般財団法人 地域創造 -出版物・報告書
http://www.jafra.or.jp/j/library/investigation/new/index.php
(2015年2月18日現在)
森ビル株式会社 ~東京・NY・ロンドン・パリ・上海~国際都市アート意識調査
https://www.mori.co.jp/company/press/release/2007/12/20071219125700000125.html
(2015年2月18日現在)
執筆者:学芸員 稲田由希