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コラム

岡本太郎展:第2回「不協和音とユーモア」

2013年02月19日 更新

パリで哲学や民族学を学んだ太郎は、1940年代に戦況が厳しくなり日本に帰国します。そして時代の流れを直視した芸術表現のあり方を打ち出し始めまし た。不況和音や緊張の要素を積極的に取り上げ、幻想やユーモアを混在させた<対極主義>の作品を創造。強烈な原色の中に、愛と憎、吸引と反発 など相対するものを同時に描いています。出品される「重工業」などはその代表的な絵画です。それは機械文明と古い因習が同時にはびこる社会への痛烈な批評 でもあったのです。

注目したいのは、現代の空虚さを感じていた太郎が手がけた椅子のオブジェです。その名も「坐ることを拒否する椅子」。気軽に腰を下ろせそうな椅子なのに、 近づけば何と、全身で拒否しているではありませんか!さらに「駄々っ子」「ほおずえ」など擬人化された椅子が並びます。家のキッチンにある椅子のように無 意識には坐れない椅子。『生活の中の創造的な笑い』を感じながら、太郎の空間を楽しんで下さい。

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